IRAK-M

IRAK-M

標的クラス

pseudokinase

対象となる疾患

非小細胞肺がん
すい臓がん など

開発の背景

IRAK-M(interleukin 1 receptor associated kinase 3 )はMyD88依存的TLR, IL1Rパスウェイを負に制御する因子として知られており、骨髄系細胞に特異的に発現して自然免疫の過剰な活性化を抑制する働きを有しています。IRAK-Mのノックアウトマウスを用いたin vivo syngeneic modelでは、がんの増殖が抑制されることが報告されており1)、免疫抑制に関わる骨髄系細胞における免疫抑制解除を作用機序としたがん免疫の非常に魅力的な標的分子と考えられます。非小細胞肺がんやすい臓がんでは、IRAK-Mの発現レベルと患者の予後に相関があることが報告されています1) 2)
一方で酵素活性を欠くPseudokinaseの一種であることから、これまで ”Undruggable Target”に分類され従来の低分子化合物ではその機能を抑制することが困難でした。そのような背景から標的タンパク質分解誘導剤のアプローチは、IRAK-Mを標的とする創薬において最適なモダリティであると考えております。

1) Oncogene. 2011 May 26; 30(21): 2475–2484.
2) Dig Dis Sci. 2014 Nov;59(11):2714-20.

開発化合物 FIM-001

当社の標的タンパク質分解誘導剤探索プラットフォーム RaPPIDS™を適用することにより、短期間で医薬候補化合物FIM-001を見出すことに成功しました。FIM-001はがん免疫を惹起する活性を示し、近年のがん免疫の主流であるチェックポイント阻害剤に不応答として知られる動物モデルで抗腫瘍効果を認めております。現在、臨床試験に向けた安全性試験を実施中です。

パイプライン一覧へもどる